カメラモジュールとは、まずはレンズ部分から。

さて、カメラモジュールを理解しないと、カメラが変化していくことがわかりませんので、これからは、カメラモジュールの説明です。
カメラモジュールは、レンズ部、撮像センサー、センサーの出力データ処理部、及びカメラシステムからなります。モジュールによっては、撮像センサーからの出力を”処理なし”で出力してくるものもありますが、ここでは、カメラとしての基本的な処理をすべて行うモジュールを対象に説明を進めます。
今回はまず、レンズ部分から説明します。
レンズ部分は、カメラへ画像(光)を“集める”重要な部分です。画像(光)を集めて、撮像センサーに画像を投影します。光学手ぶれ補正を内蔵したりします。レンズはガラスやプラスチックから、あるいはガラスとプラスチックを合わせて、作られます。レンズ部では、数枚から10数枚程度の色々なタイプのレンズを組み合わせて、”ぼけやゆがみ”のない画像を撮像センサーに結ぶようにします。(ここで、レンズの収差(ぼけやゆがみのもと)という問題を解決しようとしています。収差はそのうち説明を加えます。とりあえずWikipediaなどを見てください。) レンズには、凸レンズ、凹レンズ、非球面レンズなどありますが、それらを組み合わせるのです。特に非球面レンズは各社ノウハウがあり特徴がでます。また、量産の品質を上げるのが大変です。これが、現状では、日本のメーカーが得意であり、中国系の会社にはまだまだ良い画像を出すレンズの量産ができていないのです。ちなみに性能の良いレンズはガラス製になります。これがブラスチックで金型でばんばん量産できれば、安くなるのですが。
携帯電話に付いているものは、レンズの中でも一番小さな部類に入ります。携帯電話に付いているものでも、レンズが良ければ、明るく、解像度の良い画像を得ることができます。その場合、4枚程度の非球面レンズを含んだレンズ群となります。それでも良いものは金型でン千万円になります。光学ズームも無いのに。これで光学ズーム付きだと、レンズも10枚を軽く超え、億円の壁も突破します。また、レンズ枚数も多くなると、光軸(レンズで光を集めますが、その光の束の中心みたいなもの)合わせもまた大変です。レンズが悪いのか取り付けが悪いのか、判断が難しいのです。ちなみにこの辺のビジネス化も進めています。
工業用、産業用などではまだそれほど高価なレンズ部は不要かもしれませんが、民生用の場合にはきれいな画像を求められるため、レンズメーカーがしのぎを削ることになります。この分野で、画期的なレンズ部ができれば、すごいビジネスになるかもしれません。 もしもその種があれば教えてほしいところです。
ということで、技術的な詳細・用語は省いてできるだけ一般的にわかりやすい言葉で書いています。
今回の最後に、「レンズ部」はカメラの心臓部であり、最終的なカメラ出力の良し悪しはレンズで決まる と述べておきます。